first time・3







体に必死にしがみついて、わずかに震えているアッテンボローにポプランは激しく想いが高ぶる。

余裕がなくなる自分がカナリヤバイと思う。

「・・・・・・提督、声聴かせてくださいよ・・・・・・。」



あなたの声が好きだから。



そん、なの。

「・・・・・・やっ、だ・・・・・・。女の子みたい・・・ぁん・・・・・・ば、ばか!恥ずかしい・・・・・・んっ・・・。」

ポプランの指の動きと唇に触れるようなキスをうけてアッテンボローは全身を朱く染め腕の中で身を

よじった。

絡めた太股にポプランの手が伸びて、愛しそうに撫でる。

「キスで感じちゃうって・・・・・・俺たち、カナリヤバイですよね・・・・・・。」

提督だけが感じてるんじゃないんですよ、ポプランは桃色に染まったアッテンボローの耳元で

ささやく。

そんなことがあるのかとわずかに残る思考でアッテンボローはうなされつつ思う。

自分より3センチしか違わない身長で制服の上からだとひょろりとした印象を受けるのに、今

自分を抱いている男の腕も胸も腹も綺麗に鍛えられていて、無駄がない。

綺麗だと思った。



本当に男に抱かれている・・・・・・それがなぜか不快でなくむしろ胸の奥の炎(ほむら)が

うずく・・・・・・。









なれているのかアッテンボローのスラックスをいともたやすくポプランはおろして。



提督。

「・・・・・・濡れちゃってます。キモチイイデスカ?」

下腹にまで屹立したアッテンボローのものをポプランはやさしく、触れては包み込んだ。

アッテンボローは

思わず声をあげた。

「はぁっ・・・・・・。か、感じるに・・・・・・感じるに決まってるだろ。このばか」声がかすれる。

ポプランはより体をこすりつけてくるアッテンボローにまた、愛情が募る。

アッテンボローの手を取って自分のものを握らせた。

「・・・か、固い・・・・・・。」熱を帯びた翡翠色の眸。艶めく唇から吐息が漏れて。

「ね、提督だけが感じてるんじゃないんですって・・・俺だって、けっこう限界ぎりぎりなんです・・・」

と熱くなったアッテンボローのものをゆっくりと、だが執拗にしごきはじめた。

「あ、やぁっ・・・あっ、あ・・・・・・んっ。ず、ずるい、ポ、ポプラン・・・・・・。」熱病に冒されたように

アッテンボローは息を乱した。



だって。

「だって、キモチイイでしょ。それとも・・・・・・。」手より、口の方がいいのかな。

熱い肌が一瞬離れて、アッテンボローは狂おしい気持ちになった。

けれどすぐに嬌声ににも似た声をあげた。ポプランはアッテンボローのものを口にくわえ、舌で

ちろりちろりとなめはじめる。

「おい・・・・・・あっ、あ・・・あっ、そんなの、はぁぁっ・・・あっ、んっ・・・」言葉にできぬほどの快楽が

アッテンボローを襲う。女性との情事のおり口で愛されることもあったけれど、アッテンボローは

男にこんなことをされた経験はもちろんない。こういうことってポプランはもしかして経験済みなん

だろうかとあふれるほどの愉楽と軽い嫉妬のような気持ちがわき出てアッテンボローの脚の間を上下

する赤めの金褐色の髪を、ぎゅっと握った。

指を頭髪に入れるとにじんだ汗・・・・・・なぜ不思議にこれを不潔と思わないんだろう・・・・・・

アッテンボローは部屋中に響くほどあえぎつつ考えた。

男の汗。

なぜかアッテンボローの心にあたたかいものを感じさせた。



ポプランの唇と舌でさんざん舐め尽くされくわえ込まれたアッテンボローは「だ、だめ・・・いくから・・・

口、やめろよ」と夢中で金褐色の髪をなで回していう。ぴちゃぴちゃと卑猥に聞こえる体液の音により

欲情する。

キモチイイならこのままいっちゃってください。

ポプランはそんな言葉は言わないがアッテンボローを口でいかせようとしている。右手が添えられて

さらにアッテンボローをしごいた。

「や、あっ、はっ、はっ・・・あん、こら、ん・・・あ、あ・・・だめ・・・・・・」



乱れるこのひとを本当に愛している。

ポプランは思う。

わずかに開いた唇や、まなじりを染めたこのひとが愛しくてたまらない。

男のイチモツナドくわえたいはずがないのに、アッテンボローは違う。白い素肌に痛々しいほど赤い

自分の印を付けた。

このひとは誰にも渡したくないし、このひとと・・・・・・いつまでも一緒に生きたい・・・・・・。

自分は飛行機乗り。このひとは船のひと。

自分はいつ宙(そら)に散るかわからない。

数多くの恋を夜毎に繰り広げてきたのは人肌が恋しいから。ときめく心で生の時間を埋め尽く

したいから。

けれど、このひととなら。

このひとを本気で愛してしまったんだなとポプランは夢中でアッテンボローをむさぼっていた。

無意識のうちに妖しくうごめくアッテンボローの腰。アッテンボローのうめく声とポプランの口の中

に白濁した彼の体液が広がったのとほぼ同時だった。

青臭くてほんのりと苦かった・・・・・・。



びくんびくんとはねているアッテンボローの脚をポプランは自分の肩にのせて・・・・・・。

息を乱したアッテンボローはまだあふれる愉悦に身も心も溶けきってしまってポプランが次に

何をしようとしているのかわからなかったが。

「・・・ん、はぁ・・・んっ・・・・・・そこ・・・・・・」

「・・・・・・この姿勢より、後ろからの方が提督が楽かも・・・・・・。」

何かをいおうとしたアッテンボローに深く、甘い接吻けをしてポプランは彼の脚をおろして背中を

向けさせた。



あちこちに点在する赤い印。

鉄灰色の髪が乱れて背中にわずかにかかっているさまがなまめかしい。



首筋から背中に唇をはわせ・・・・・・・。

ヒキカエセナイトコロニイル。

ポプランもアッテンボローも感じていた。そして二人とも引き返すつもりなど微塵もなかった。







アッテンボローのそこにポプランは舌を入れてきた。

「ぁ・・・・・・・」

「どですか。気持ち悪いですか?提督。いたいとか・・・・・・。」

「・・・ていうか風呂に入ってないからそんなところ・・・・・・」・・・・・・舐めないでほしい・・・と青年

提督は思う。



でも。

「ピンク色してきれいです。それに・・・・・・もう濡れてたりしてます・・・」とソフトだが執拗に舐める。

アッテンボローは馬鹿といおうとしたが妖しいあえぎ声になってしまった。想像していた痛みなど

なく・・・・・・それは多分アッテンボローがポプランを思っているから。

不覚だが、恋に、墜ちた。



存分に舌でほぐされたそこはポプランの指をゆっくり飲み込む。「いたくないですかー。提督。」

「いたいと・・・いったらやめるか・・・ぁ・・・ん・・・・・・」アッテンボローのかすれた声にポプランは

やめませんときっぱり言った。

あまりにかわいすぎて。あまりに愛しすぎて。

やめることなどできない。

わ・・・・・・。

「三本はいっちゃいました。ローションなしでもよかったんですね。」「馬鹿」その間

ポプランはアッテンボローの体に余すところなく接吻けして印を付ける。



このひとは、おれだけのもの。

接吻けるたびに白い背中をのけぞらせて啼くこのひとは、おれだけのもの。暗い部屋の

中で荒い呼吸をしてあえぐこのひとは、おれだけのもの。



提督、オレホンキデアナタガスキナンデスヨ。

指でアッテンボローをいたぶって耳元でポプランはささやく。「・・・愛しています。」

互いの唇を求め合って舌を絡ませあって。唇を離しがたいほど熱い接吻をして。

翡翠色した熱を帯びた眸でアッテンボローはいう。

「・・・・・・おれが・・・男でも・・・か。」身を悶えさせながらアッテンボローは吐息を漏らすように

呟いた。その唇がまた艶やかでポプランを悩ませる。

「あなたが男でもです。」たまらなくなってまた唇に唇を重ねた。

指でほぐされたアッテンボローのそこは軽いけいれんを起こしているかのようにひくついて。

ポプランを待っている。



肉欲だけじゃなくて。

このひとと心もつながっていたいと思う・・・・・・。

ゆっくりポプランはアッテンボローに自分を沈めた。

「・・・いたいですか?痛かったらやめますけど・・・。」馬鹿。「ば・・・か。い・・・痛くない・・・本当だ。」

やめたら・・・・・・。

「やめたら・・・・・・絶縁だぞ・・・ぁ・・・ぅ・・・・んっ」

少しずつ腰を動かして。

肉欲だけじゃない。

情欲だけじゃない。

腰を動かしながらポプランはアッテンボローの手をぎゅっと握り首筋やほほに接吻ける。

アッテンボローがポプランの手を握りかえしたきた。



お前の気持ちは、よくわかってるつもりだ・・・・・・。

とぎれとぎれに囁かれたアッテンボローの愛の言葉。



二人は闇の中で結ばれポプランはアッテンボローの中で果て、アッテンボローもまた貫かれる

快感で達した・・・・・・。








互いに手をほどかぬまま重なり合ったまま、もつれ合ったまま・・・・・・。

「・・・重いでしょ。おれ。」「・・・うん。まあな。」「じゃあどきましょうか。」「・・・・・・。」

じゃあこのままいさせてください。

勝手にしろと青年提督ははにかんでいるのか憮然としていった。

そんなふうに顔も上げないくせに、ポプランの手をいっこうに離さない。これがこのひとの、愛情表現。

提督もおれのこと好きなんですね。

細い肩に接吻を落とす。そしてここにも「オリビエ・ポプラン所有印」が押される。

「・・・・・・お前、おれの体のあちこちによくもまあこれだけキスマークつけたよな。」

「制服を着てれば見えないところにしかつけてないですよ。」

「・・・ふん。」

そんな膨れ面をしても、アッテンボローはポプランの手を離さなかった。ポプランはそんな

アッテンボローの稚拙な愛情表現も愛しく思う。



ねえ。

「一度愛してるって言ってくださいよ。提督。」

「いうか。馬鹿。」

そんなことを言いつつも手をつないだまま・・・・・・。

言葉で通じることもあるし、言葉だけで通じないこともある。二人ともそれがわかっているから

互いの体温に安堵して目蓋を閉じる・・・・・・。



二人のfirsttime。



眠りに落ちる前にアッテンボローがつぶやいた。

「10年後も一緒にいたら、愛してるっていってやる。」

こころよいまどろみの中、ハスキーなアッテンボローの声。ポプランは愛しい恋人が風邪を引かぬ

ように肩までシーツをたくし上げ。

その体を包み込むようにして抱きしめて眠った。



二人のfirsttime。

確かな愛を感じた、そんなfirsttime。



fin






平謝りです。エロくないですよねー。擬音やあえぎ声を入れてもエロくないって

私は能無しです。誰かに弟子入りしなくちゃなー。ともかくこの話はエンドってことで。

甘さだけはあるんですよねー。はう。