ラブラブギルティーII オリビエ・ポプラン少佐といえどさすがに勤務時間中女性提督をラブ・ホテルなどという ところに連れてはいけない。 これには事情がある。詳しくはこちら。 といえどうまうまとオリビエ・ポプラン少佐はまだ結婚もしていなかった時代・・・・・・と いってもポプラン少佐は結婚する気満々だったけれど肝心の女性提督ダスティ・アッテンボロー 少将が 「戦争が終わったらね。」 などといってのらりくらりと独身生活を謳歌していたのであって少佐に非はないと 思われる。金髪碧眼オンナノコスキーな女性提督はフレデリカ・グリーンヒル大尉が おもいびとのヤン・ウェンリー大将閣下に一度でいいから手作りのチョコレートを 作ってみたいと漏らしたことから なぜか1800時。 アッテンボロー提督は恋人の思惑通りはじめて二人でラブ・ホテルではないホテルに 逗留する羽目になった。 二人が交際して官舎以外の場所で夜を過ごすことになったのはこのとき初めて。 スィートは押さえられなかったと残念そうなポプランであるけれどアッテンボロー としてはこのデラックス・ルームは十分・・・・・・贅沢な作りだと思う。 このホテルだってイゼルローン要塞では格式もあり値段もそこそこと女性提督は 頭の中で暗算する。 アッテンボローは同盟軍最年少提督であったし階級も少将閣下だからはっきりいえば ポプラン少佐の給料(サラリー)よりも遙かに上をいく。 そんなアッテンボローでも「たった一晩なのにもったいない。」と贅沢な調度をみて 呟いた。 結婚前ポプラン少佐は女性提督をハニーと呼んでいた。 「ハニーは財布のひもが堅い女だからなあ。でもさ。」 はじめてのお泊まりだしスコシクライイイお部屋で愛し合いたくない?とダークシルバーの オフショルダーのドレスのまま背中から抱きしめられた。甘い「eliotropio」ヘリオトロープの 香りが鼻腔をくすぐる。 「・・・・・・・せっかくドレスアップしたのにホテルのバーにも連れて行ってくれないのか。」 女にドレスを着せる理由はただ一つ。 やっぱり。 「やっぱり乱れる姿が見たいからでしょ。」とまじめに緑の眸がきらめいてアッテンボローを とらえて離さない。長い髪は背中のあいたドレスからのぞく白い素肌を隠す銀色のヴェール のごとく。ポプランは指で掬って・・・・・・アッテンボローの唇に唇を重ねた。 海などはないからオーシャンビューとは言わない。けれど街のイルミネーションが星の海を 思わせる部屋。 しらふで乱れるなんてできないとアッテンボローは少し身をよじるけれど無駄で甘い抵抗。 デラックス・ルームにしつらえてあるカウンター・バーでポプランは二人のカクテルを用意 した。「スコッチ・ショコラ」というカクテル。チョコレートを使ったカクテルでポプランは口移しで アッテンボローに飲ませる。 「おいしい?ハニー。」 お、おいしいけど・・・・・・とアッテンボローはポプランの腕の中で嚥下した飲み物だけに 頬を染めているのではない。洒脱に自分をエスコートしてしまえるポプランにとまどいもし どきどきしていた。 幾人かの男性と交際はしたこともあるアッテンボローだったけれど何せお相手は三桁の 女性との恋の履歴を持つ男。 アッテンボロー一人籠絡するのは訳はない。なにも性急に事を進めなくてもいい。 アッテンボローの頬に触れ。 アッテンボローの耳元でささやき。 アッテンボローの背中を指でなぞる。 アッテンボローの腰に指を添える。 そして。 幾度も接吻を交わす。 ・・・・・・。 「何か言いたいことがあるの。ハニー。」 ポプランにはわかる。アッテンボローの眸は物言う眸。 「なんかね。いやとかじゃないんだけど。」 いやじゃないんだけど。 まだ交際を始めて2ヶ月。一緒に暮らし毎日抱き合って眠るといっても・・・・・・。 わずかに恥じらいが残る女性提督。 でもそんなアッテンボローのこともポプランは愛しく思える。 毎夜肌を重ねていても初めての夜のときのことが頭をよぎるからアッテンボローの 羞恥心はポプランにとっては罪なほどの媚薬。 「・・・・・・。ゆっくり行きましょ。夜はまだ長いわけだから。」 そういってまたさくらんぼのような艶のあるアッテンボローの唇に唇を重ねた。ぎゅっと 抱きしめるとすこしほっとしたようなアッテンボローが満足そうにポプランの3センチ下に 顔を埋める。上品なビロードの毛並みをしたロシアンブルーのようにしなやかに ポプランの体にぴったり寄り添う。 アッテンボローはほんの少し「逃げ道」を用意していると安心して身も心も任せて くる。もちろんポプランから逃げたいわけじゃない。ほんの少し空気の穴のような 物がアッテンボローには必要不可欠のようだ。そんなことはポプランはよくわかって いたしそんなアッテンボローがかわいらしく思える。 いつも彼女とはfirst time。 何度もアッテンボローと甘いキスを重ねて柔らかい肌を抱きしめてもポプランは いつもfirst timeだと思って大事に時間を過ごす。別にアッテンボローが晩生(おくて) だからではない。オリビエ・ポプランにとってダスティ・アッテンボローはスペシャルで 特別の女性。 こんな私って面倒くさくないのかと長いまつげを伏せたまま腕の中の アッテンボローがつぶやく。 恋には。 「多少の難関があってこそ面白いってこと。お前はお前のままでいい。」 そう。 情事に手馴れた女になってしまうよりいつもfirst timeを思い出させてくれる アッテンボローはとてもいとおしい。バーに行きたいかとたずねるとポプランの首筋に 軽く唇を当ててアッテンボローは「・・・・・・ここにいたい。」とささやいた。 普段聞くことなどできない甘ったれた声。少しだけハスキーでポプランの脳天に 甘い疼きを走らせる。 今夜のカクテル。「いつもよりお酒がつよい気がする。」 酔っちゃったかとアッテンボローの耳元で小さくささやけば酒に酔ったわけではない という。 お前がすきなんだ。 だから酔っちゃったのかもとアッテンボローはポプランの背中に白い腕を回して ぎゅうっときれいな体を抱きしめた。 ちゃんと「逃げ道」を会話の中に残しておけばアッテンボローは迷うことなくポプランを ほしいと思える。 いささかあまのじゃくな恋人のかわいい癖。 惚れた弱みですべてが恋しく思えるポプランはそっとアッテンボローの耳たぶを唇で 軽くかむ。ダークグレイのジョーゼットのドレスに指をかけながらポプランは思った。 本当は灯りのついたまま美しいアッテンボローの体をみたいと思うけれど。 シャイなアッテンボローはそんなことは赦してくれそうもないから部屋の灯りをトーン ダウンした。 薄い暗闇の中で・・・・・・アッテンボローはポプランのタイをはずす。せっかくダーク スーツを着せたのに。 でも。 「今日はバレンタインじゃないんだけどな。」 夜のとばりの中で見えるアッテンボローの美しい柔らかな微笑みが少し照れたように 言葉を紡いだ。 「それがどうした・・・・・・愛する女と年に一度しか愛し合えない慣習などくそくらえだ。」 ポプランはシルクジョーゼットの中の白く熱い肌に接吻けをして羽衣のようなドレスを 脚で蹴ってアッテンボローを抱きかかえてとても大きなベッドに大事におろした・・・・・・。 イルミネーションの明かりがほのかに部屋に差し込んでポプランのきれいな・・・・・・ 制服の上からではよくわからないきれいな筋肉のついたからだが上下するのが見える。 アッテンボローはポプランの声が好きだ。 ポプランがアッテンボローの最中の声を聴きたいように彼女も恋人の吐息やあえぐ 小さな声が聴きたい・・・・・・。 正直アッテンボローは自分がこういうことに長けている女だとは思わない。 ただ。 健康的な象牙色の肌は言葉よりも正直で余裕なんてないことがわかる。赤めの金色の 髪にそっと指を入れると汗が噴き出している。表情は変わらぬ優しさを保っているけれど きっとポプランも存外に余裕があるわけじゃないのかもしれないとアッテンボローは思う。 そっとポプランに甘い声でささやかれながら指と唇で攻められてアッテンボローはつい、 ん、ふぅ・・・・・・と口を開いたとき声が出た。 ちょっと悔しいから。 上に覆い被さっているポプランの体を引き寄せて唇をむさぼる。ほの白い灯りだけの 室内で熱い吐息と互いを欲している男と女が絡み合う。 「ふっ・・・・・・く・・・・・・。」 もっと声を聴かせてくれてもいいのにポプランはあまりこういう・・・・・・声を聴かせて くれない。 大声を出されてよがられるのも困るけれどアッテンボローも恋する女だから。 恋する男のかわいい声が聴きたいときもある。 組み敷かれた体をずらしてアッテンボローが逆にポプランに覆い被さる。長い翡翠色の 髪がさらさらと背中を流れてシーツに落ちる・・・・・・。 積極的なんだなとくぐもった声でポプランが言うのを唇でふさいだ。 「・・・・・・。私だって聖女じゃないぞ。」と額に接吻けてそのまま首筋をたどった。 アッテンボローは首筋にキスマークを付けられるのはいやだけれど・・・・・・つけたくなる 男の心理はわからないでもない。 たくましさとしなやかさを兼ね備えたポプランの首に唇を押し当てた。 ね。気持ちいい? 何度かポプランの首にキスをふらせたあとアッテンボローは頬を上気させて組み敷いた ポプランに尋ねた。すごく感じると撃墜王どのはほんの少し苦しげに言った。 ・・・・・・すごくかわいいかもとアッテンボローはほほえんだ。 そして。 改めてポプランに愛しさを感じる。 どんどんその愛しさがこみ上げてきてきれいな胸や割れた腹筋に指をはわせ舌を はわせた。 アッテンボローはポプランが愛しくてたまらない。 「・・・・・・・今夜のダスティは・・・・・・・違う女みたいだ。」 嫌いになっちゃったと聞くとまさかとポプランは言う。 そしてそっとアッテンボローの華奢な手を自分のものがあるところへ誘う。熱くて、固い。 もうスキンをしなくちゃやばいとアッテンボローに唇を重ねながら器用にすばやく装着した。 今夜はこのまま上がいいのとポプランがいたずらっ子のように尋ねるとアッテンボローは 頬を真っ赤にさせてこくんとうなずいた。 耳まで真っ赤で。 唇と同じさくらんぼうのようにおいしそう。 ほのかな光だけの世界で。 いつもと違う場所だから。 アッテンボローはゆっくりポプランのものを自分の体の奥に沈めていく。 「あ・・・・・・はん・・・・・・・。」 お前の中・・・・・・・・。「とっても熱い・・・・・・・ん・・・・・・・う、腰を・・・・・・・。」 腰を動かしてみて。 「お前が痛くないようにゆっくり動かしてみて・・・・・・そう・・・・・・ゆっくりでいいから。」 ポプランの声がうわずっているからアッテンボローは体中感じてしまう。「あ・・・・・・ん」 まだ少しだけこわごわとアッテンボローは夢の中にいるような気持ちでポプランの指に 自分の指をしっかり絡め合いながらゆっくり、動いた。 ・・・・・・どこが気持ちいい? ぎゅっとまぶたを閉じていたアッテンボローはポプランのその声を全身で感じた。 ・・・・・・焦らなくていいから、どこが気持ちいい?「・・・・・・ダスティ・・・・・・。」 背中がのけぞりそうになる。「や・・・・・・あ、ん・・・・・・ここ、かも・・・・・・。わかんない。」 ポプランはアッテンボローの細い腰を手で支えてとんとついた。「ぁあんっ。」という アッテンボローのあえぎ声にここ?ここでいいの?とポプランは優しく突き上げる。 「ゃんっ。そこ・・・・・・だめえ。」 ポプランはしっかりアッテンボローを抱きしめどんどん強く、どんどん早く攻めた。 アッテンボローの嬌声がこだまして・・・・・・その中でも彼女はポプランが荒い呼吸の中 自分を慈しんでくれていることを感じた。 どんなときでも・・・・・・オリビエ・ポプランはダスティ・アッテンボローを愛しているのだと 心から、感じて・・・・・・・果てた。 今夜のハニーは。 「ちょっと扇情的で参っちゃったなあ。」と腕枕をしながらにまにまとポプランは笑顔で 言った。あんな風に誘われるともえちゃうよな。俺もとしれっと言ってのける。 「・・・・・・私だってお前の声が聴きたいなって思ったんだ。・・・・・・その・・・・・・」 ・・・・・・感じるから。 たまには声も聴かせてほしいなって思っただけと腕枕に頭をもたげてふてくされたように 女性提督は言った。女だって声で感じるんだからと。 そかそかと愉快そうにポプランはアッテンボローの額にキス。「そか。もうそんなに感じる ようになったか。よかったよかった。」と頭を撫でた。初めての夜はまだ少し痛がってた ものなとポプランはまじめに安心した様子である。 「うん。そうだよな。声って大事だよな。」 じゃあ今後は俺も善処するとポプランは笑った。アッテンボローもつられて・・・・・・ 笑った。 バレンタインよりも数日早い二人の特別な、デート。 fin 男と女のRだからかいていいものか悩んだのですけれどさらっと書けない 自分のスキルに涙です。 フレデリカが泊まりに来る夜はイイコトができないのでポプランさんはホテルで 特別にしたかったんです。これはバレンタインものなのか疑問ですが^^;;;; |